-親子の二人旅- 互いに相手の幸せを祈って

「有名な観光地もいいけれど、
何もない離島の旅もいいでしょ?」
山と海に囲まれ、自然があふれる島を
何もないという娘。困ったわね。
今日は絶景を楽しもうと決め、
娘が運転するレンタカーで駆け回る。
時折、山間から教会が顔を出す。
祈りの島というこの島特有の光景を
とても愛おしく感じた。
集落に佇む教会でしばらく休憩。
「聖歌が聞こえるね」
二人で歌声に耳を澄ませる。

「ほんとに日本なのかしら?」
静かな浜辺で、母がつぶやく。
きれいな海はある。人のいない浜もある。
でも、美しくて誰もいない海辺は初めて。
穏やかな波と風の音、鳥のさえずり…
人工の音が何もない場所って、
こんなにも落ち着くんだ。
「この島は退屈する暇がないわね」
美しい海岸線は見所ばかりなのに、
地元の人が勧める場所は違った。
水平線をずーっと眺めながら、
何も考えない時間を過ごす。

「大丈夫よ、ホテルもあるから」
私は古民家の宿でも、流行の民泊でも
構わなかったけど、
娘はリゾートホテルを選んだ。
この島のグルメは消化がいいのか、
夕方になるともうペコペコ。
地元の食材をふんだんに使った
イタリアンには二人とも大満足でした。
食事の後はワイン片手にベランダへ。
娘と久しぶりにゆっくり語り合う。
こんな素敵な旅行をありがとう。
快く送り出してくれた主人にも感謝。

翌日、朝からクルージングへ。
陽光に輝くエメラルドグリーンの海が、
わくわくする気持ちに拍車をかける。
海面を覗き込むと小さな魚の群れが…
まるでおとぎ話の世界。
隠れキリシタンの洞窟や数々の教会を
目にすると気持ちも引き締まる。
「やっぱりここは祈りの島ね」
たくさんの聖地を巡るこの体験は特別。
私はそっと目を閉じて母の幸せを祈った。
その隣でずっと、母が私の幸せを
祈っていたとは気づかずに。

旅物語いかがでしたか。
あなたに最適な旅プランをいつでも
ご案内いたします。
お気軽にお問い合わせください。