椿から、島の暮らしが見えてくる。
冬の上五島を歩いてみると、あちらこちらで深紅の花をいっぱいに咲かせた椿に出会います。五島列島に自生する椿は1,100万本。そのなかでも、山林が8割を占める上五島には680万本以上が自生し、全国一といわれています。花を咲かせ、実をつけ、その種から油を搾り、木は道具になる。上五島では、昔から暮らしのそばに椿がありました。このコースでは、椿の実から油を搾り、その木で箸をつくり、最後は出来上がった箸を持って、椿の木々に囲まれた「里みち」へ。かつて島の人々が歩いた道に残る、段畑や石垣などの暮らしの風景を眺めながら歩き、海を望む絶景スポットでおにぎり弁当を味わいます。椿とともにあった島の暮らしを、自分の手と足で感じ、味わう一日です。
- 所要時間:1日
- 主な交通手段:
START
01|椿の実から、油を搾る
一日のはじまりは、椿の実から油を搾るところから。椿の種を砕き、蒸して温め、圧搾機でゆっくり搾ると、黄金色の油が少しずつしたたり落ちてきます。この一滴ができるまでには、収穫した実を天日で干し、種を取り出して、さらに乾燥させる。1〜2カ月かけて、ようやく搾油の準備が整います。1年に一度しか収穫できない椿の種から採れる油は、ほんのわずか。種1粒から採れるのは約0.3gです。1本の木から100mlの椿油は、わずか5本分しかできません。ゆっくり、じっくり、自然の恵みと、伝えられてきた技術で生まれる貴重な椿油。その手間と貴重さを、実際に自分の手で感じてみてください。
車で20分
02|椿の木から、自分の箸をつくる
椿油を搾ったあとは、椿の木を使って、自分だけの箸をつくります。カンナで削り、サンドペーパーで磨き、最後に椿油を塗って仕上げます。木の手ざわりを感じながら、ひとつひとつ丁寧に仕上げていきましょう。できあがった一膳は、旅のあとも使い続けられるもの。上五島で過ごした時間を、日々の食卓へ持ち帰ることができます。
車で30分
03|椿の咲く里みちを歩く
最後は、島の食材でおにぎり弁当をつくり、できあがった箸を持って、世界文化遺産の構成資産「頭ヶ島の集落」へ。かつて島の人々が教会へ通うために歩いた「里みち」を、ガイドとともに歩きます。冬の里みちでは、自生する椿が点々と花を咲かせています。季節が変われば、実をつけたり、花が散って椿のじゅうたんのように彩ったり。同じ道でも、訪れる季節によって違う表情に出会えます。海を望む場所で、できあがったおにぎり弁当を、今日つくった箸で味わいます。島の風景を眺めながら食べるおにぎりは、歩いたあとの心地よさも相まって、格別です。つくって、歩いて、食べる。花から実、そして木まで。椿とともにあった島の暮らしを、旅の中で感じてみてください。