椿/島の花-1

冬のかみごとうを歩いてみると、
あちらこちらで深紅の花をいっぱいに咲かせた椿に出会います。

五島列島に自生する椿は1100万本。
そのなかでも、山林が80%と平地が少ない上五島は680万本以上自生しており、全国一といわれています。

対馬暖流の影響で温暖な気候のため椿が育ちやすく、
その歴史は1000年以上前の遣唐使の時代に貢物として、椿油が送られていたと記述があるほど。

この土地に椿が近しくあったことの表れとして、
島内の多くの教会でステンドグラスや室内装飾にも椿や椿のモチーフが使われています。

千年の時を越えて、
今も昔も暮らしのそばに。


花を咲かせる冬が終わり、花が落ちると、そこに椿の実がつきはじめます。
夏が過ぎて、種が採れるのは秋頃。
この種が、
島の特産品でもある椿油の原料となります。
実を収穫し天日干し、
乾くと中から種が出てくるので、種を取り出しまた天日干し。
太陽の光をたくさんあびて、1カ月~2カ月かけてようやく油を搾る準備が整います。


昔は集落ごとに小さな精油所があり、山で種を拾っては製油所に立ち寄りその場で交換していたそうです。

種1粒から0・3gしかとれない椿油。
1年に1度しか収穫できず、1本の木から100mlの椿油は、わずか5本分しかできません。

ゆっくり、じっくり、自然の恵みと、伝えられてきた技術で生まれる貴重な椿油。

近年ではその優れた特性が見直され、改めて注目されています。

人肌に近い優しさで、
美しく、健康に。


椿油の主成分は人肌に近い成分であるオレイン酸。
全ての植物油の中で最も多くのオレイン酸が含まれていると言われています。

髪にも肌にも体の中にも、どの世代にも。

椿の花言葉〚気取らない優美さ〛、〚謙虚な美徳〛のごとく、
自然体で飾らない、それでいて生命力あふれる美しさを導き出してくれます。

オレイン酸とは・・・
・保湿力に優れており、乾燥、シミやシワ、ニキビなどの肌トラブルを防ぐ。
・善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールのみを減らす。
・抗酸化作用が高く、細胞の老化を防ぎ、内臓から若々しくするアンチエイジング効果も。
・不飽和脂肪酸の中で最も酸化されにくい。
・体内では活性酸素と結びつき過酸化脂質をつくりにくくし、動脈硬化や高血圧、心疾患などの生活習慣病予防改善に。

 
髪に…
油(オイル)と聞くと髪がベタベタしてしまうのではないかと、心配になる方もいるかもしれません。
しかし椿油は、液体の状態のままで固まることのない不乾性油の中でも、ベタベタしにくい油だとされています。
そのため、髪につけても自然になじみ、サラサラとした手触りを感じられる、ヘアケアにピッタリのアイテムです。
ドライヤーの熱や紫外線などの刺激から髪を守り、枝毛やパサつきを抑えます。また、必要な水分をキープし、
髪表面のキューティクルをなめらかに整えることで、潤いとハリのある美しい髪に導きます。
さらに、椿油を使って頭皮マッサージをすることで、頭皮の汚れが浮きやすくなり、
頭皮の新陳代謝を促し、栄養の行き届いた健康な頭皮になることで、抜け毛やふけ、かゆみへの効果が期待できます。


肌に…
肌になじみやすく保湿力も抜群。「エリモント効果」という水分の蒸発を抑える作用があるので、
スキンケアやボディケアにぴったりのオイルです。
乾燥が気になる部分に浸透させれば、水分をしっかり閉じ込めてなめらかな肌へ導いてくれます。

また、抗菌・殺菌作用のあるサポニンが含まれており、ニキビケアとしても有用です。
さらに驚くべきは紫外線(UV-B)を吸収する効果があること。ナチュラルな成分なので肌が弱い人でも安心。

植物性油で安全性も高いことから、クレンジングオイル、マッサージオイルやベビーオイルとしての使用にも適しています。

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島の暮らしを
ほんのちょと体験。


砕く、蒸す、絞る。。。
椿に触れて、自分でつくる。
旅にプラスして、島を体感してください。

現在は花や葉など椿の木すべてを最大限に活かす研究が進んでおり、
花からは酵母を、油の搾り粕から肥料を、幹からは櫛やスプーンなどの木工品を。
椿を余すことなく商品化や取り組みが行われています。

ぜひ自分への贈り物にもどうぞ。
旅を終えて忙しい日常に戻った時に、椿のあたたかさで島の時間を思い出してもらえますように。

 

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