五島に“ほたる”をみにいこう!-1

五島に“ほたる”をみにいこう!

日本の初夏の風物詩として古くから親しまれてきたほたる。かつては日本各地でよく見かけた「ほたる」ですが、都市部ではほとんど姿を消してしまいました。一度も見たことがない!という方も多いかもしれません。真っ暗な空間で無数のほたるが舞う幻想的な光景は、島旅の非日常感をより深いものにしてくれます。

夜空に淡く美しい光を灯すほたる。五島列島でも5月下旬から6月に見ごろを迎えます。ほたるの光は仲間との交信手段。光り方には地域ごとの違いがあり、まるで人間の方言のようだといわれています。東日本のほたるは4秒に1回、西日本は2秒に1回、その中間の地域では3秒に1回点滅することが確認されています。そんな中、五島列島のほたるは1秒に1回という独自の点滅パターンを持つことが発見され、「五島列島型ゲンジボタル」として新たに分類されました。この明滅パターンの違いは遺伝子の違いとも関連しているようですが、その詳しい仕組みはまだ解明されておらず、謎に包まれています。日本一速い点滅を見せる五島列島型の発光は、まさに五島列島でしか出会えない特別な光景なのです!

川にもほたる、山にもほたる

五島列島に生息するほたるは2種類。流れが穏やかできれいな小川に生息するゲンジボタル(川のほたる)と林ややぶの中など生涯を陸上で過ごすヒメボタル(山のほたる)です。五島列島・中通島の相河川は、「川のほたる」と「森のほたる」を同時に楽しめるスポット。右手にゲンジボタル、左手にヒメボタルと、2種類のほたるの美しい乱舞をお楽しみいただけます。

 

【ほたるのふるさと相河川まつり】
ー令和7年も開催予定ー
開催場所:新上五島町相河郷(相河川上流)
期間中、イベント等は実施しませんが相河川のほたる鑑賞をお楽しみいただけるよう
観賞場所付近を整備し、駐車場を開放いたします。

ほたるの季節限定!夕日・ほたる・星空の三大観賞スペシャルコースで夜を満喫

まずは早めの夕食を済ませて、海に沈む夕日を見に出かけましょう!5月下旬から6月頃の日没時刻は19時30分前後。一般的に夕焼けが最も美しく見えるのは日没の前後30分間です。夕焼けに染まる空、地平線に沈みゆく夕日、刻々と変化する景色をゆっくりとお楽しみください。薄暗くなってきたら、ほたるの見えるスポットへ移動します。ほたるは20時から21時頃が最も活発に光ります。幻想的な光と虫の音色に心癒されたあとは、満天の星空を楽しみましょう!星空の知識が豊富なガイドが案内する星空ナイトツアーもおすすめです。リクライニングチェアでゆったりと寛ぎながら、星々のきらめきを眺める贅沢なひとときをお過ごしいただけます。

ほたるの観賞マナー
・ホタルはとても繊細な生き物です。懐中電灯やカメラのフラッシュ、スマートフォンの画面など、人工の光に弱いため、光らなくなったり衰弱したりすることがあります。光を直接当てることは避け、車でお越しの場合は離れた場所に駐車して、現地まで徒歩で向かいましょう。
・採集は厳禁です。ホタルは羽化して成虫になると、わずか10日前後で寿命を迎えます。この短い期間に交尾・産卵を行いますので、触ったり捕まえたりせず、静かに観賞を楽しみましょう。
・虫除けスプレーは事前に体に吹きかけ、電子蚊取り線香など強い香りのものは持ち込まないようにしましょう。

昆虫学博士に学ぶ“ホタル”

昆虫学博士こと長崎大学教育学部 准教授/博士(学術)大庭伸也氏にホタルの生態や最新の分析結果、観賞ポイントなどをわかりやすく解説していただきました!
★大庭先生は、五島列島のゲンジボタルの明滅パターンが、これまでに報告されていたものに比べて速いという特異性を明らかにし、論文を学術誌「Entomological Science」に発表されています。五島列島型ゲンジボタルの論文で2021年日本昆虫学会論文賞受賞。

ホタルを守り、未来へとつなぐ第一歩としてホタルを知ることからはじめてみませんか?

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