日島の石塔群 ひのしまのせきとうぐん

日島は五島列島若松島の北西にある小さな島です。面積はわずか1.4平方キロメートルながら、海岸沿いには70基もの石塔が海に向かって立ち並び、独特な景観を形作っています。これらは「日島の石塔群」と呼ばれ、五輪塔から単純な石積みまで、多様な形態の石塔が存在します。鎌倉時代から江戸時代にかけて建立されたこれらの石塔には、六甲山の御影石、若狭湾の日引石、阿蘇の凝灰岩と主に3種類の石材が使用されています。これらは大陸との交易船が、荷物を降ろした後の船のバランスを保つための重し(バラスト)として運ばれてきたと考えられています。当時これらの石材は非常に高価で、現代の価値に換算すると数千万円相当とされており、石塔の建立者たちが相当な財力を持っていたことを示唆しています。
日島の歴史については不明なことが多く、古文書上でも石塔群を建塔した背景ははっきりと記述されていませんが、海難事故犠牲者の墓碑や航海安全の祈願碑、あるいは当時の有力な交易者たちによる生前供養など、複数の説が存在します。特に1300年代から1400年代にかけて建立された石塔が多く、この時期は倭寇が活発だった時期と重なることから、この遺跡は五島列島が重要な海上交易の中継地であったことを示す貴重な歴史的証拠となっています。


長崎県指定史跡にも指定され、日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」の構成文化財です。


エリア
若松エリア
カテゴリー
歴史・文化

基本情報

住所 〒853-2312 長崎県南松浦郡新上五島町日島郷

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