国指定重要無形民俗文化財-1

毎年秋になると、島内のあちらこちらの神社で笛や太鼓の音が響き渡り、五穀豊漁に感謝する秋の例大祭が執り行われます。

新上五島町は教会のイメージが強いかもしれませんが、由緒ある神社も多く、(その数57!!)
例大祭の日には、小さなこどもからお年寄りまでその地区に暮らす人々が神社に集います。

どの地区でも、一日目は午後から【おくだり】※があり、笛や太鼓のはやしで賑わいます。

※【おくだり】神を迎える神幸祭のこと
  (神を送る還幸祭を【おのぼり】という)

村まわりでは、はやしが聞こえてくると地域の方々が外に出て参拝し、神輿に続いて歩きます。

暗くなりはじめた頃、参道に灯りがともされ、19時頃から前夜祭がはじまります。

夜の神社の独特の雰囲気はこの時期ならではです。

ぞくぞくと人が集まり、神事が行われ、玉串奉奠(たまぐしほうてん)が終わると、神楽が奉納されます。

新上五島町内で奉納される神楽は有川神楽と上五島神楽があり、この2つを含む【五島神楽】は国の無形民俗文化財に指定されています。
史料によると三十番ほどの舞がありますが、例大祭で奉納されるのはその一部です。
すべてが畳2枚分の板張りの上で舞われます。

※玉串奉奠…神さまが宿るとされる榊(さかき)という木の枝に、紙垂(しで)や麻を結びつけたものを玉串と呼び、それを参列者が祭壇に奉納する儀式。
 

五島神楽の特徴は素朴さと勇壮さ、めりはりのきいた律動的な所作、躍動的な太鼓の撥(ばち)さばきと言われています。

華麗で躍動感あふれる舞いも多く、アクロバティックな動きには圧倒され自然と拍手がおこります。

巫女装束で扇子や鈴を持って儚く美しく舞うのは、地元の女の子たち。

舞のなかには会場から笑いのこぼれるものや、

紅白のお餅をまく舞もあり、初めて神楽を体感する方でも楽しめる内容です。
 

一番盛り上がりを見せるのは、天狗と獅子が乱舞する獅子舞。
コミカルな駆け引きが見る者を惹きつけ、一進一退の舞に会場には一体感が生まれます。

最後に獅子と天狗が参列者をかき分けて入り込み、頭をカチカチと噛んでまわります。
小さなこどもは泣き叫び、大人はそれを見て笑う。あたたかい空気のなか、前夜祭が終わります。

翌日は午前中から大祭が執り行われ、大祭後【おのぼり】で2日間にわたる秋の例大祭が終わります。

島内にある『鯛ノ浦神社』は離れた小島にあり、船に乗って行かなければなりません。
そのため、【おくだり】も【おのぼり】も御神体を漁船にのせて行います。
島のまわりを大漁旗などを掲げた漁船が周遊する光景は地元では海上パレードと呼ばれています。

2カ月間にわたり、毎週のようにどこかの神社で例大祭が行われ、神楽が奉納されています。
それぞれの神社で違う雰囲気や舞を比べながら観るのも楽しみ方のひとつです。

400年以上前から、島の風土の中で独自の文化として育まれ、静かに受け継がれてきた神楽に触れて島の秋を感じてください。

 

Column

神楽に触れて旅を深める。-1

神楽に触れて旅を深める。

地元保存会の協力により例大祭以外でも神楽の拝観が可能です。
目の前で繰り広げられる島の文化を体感し、特別なお時間をお過ごしください。

詳しくはコチラ

令和4年度 スケジュール

※例大祭へお越しの際はコロナウイルス感染症対策をお願いいたします。
※所在地詳細は神社名をクリックしてご確認ください。
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