山本二三「五島百景」の風景を巡る旅~風景とアートが重なる瞬間を探して。~

山本二三「五島百景」の風景を巡る旅-1

長崎県 五島市出身の山本二三氏(1953年-2023年)は、
天空の城ラピュタ、火垂るの墓、もののけ姫、時をかける少女など、
数々の名作アニメーション映画の美術監督として、多くの人の心に残る風景を描いてきました。
その山本氏が10年の歳月をかけ、故郷・五島列島を描いたライフワークが『五島百景』です。

本モデルコースでは、『五島百景』に描かれた上五島の9つの風景を巡ります。
ぜひ画集を片手に、目の前の風景と作品を見比べてみてください。
同じ場所に立つことで、山本氏が見つめた光や色、構図の意図がより鮮明に感じられるはずです。


ご周辺住民の方のご迷惑にならないよう、それぞれの場所のルールを守って静かにご見学ください。
自然保護・景観保全にご協力をお願いします。


※令和6年に開催された出張展覧会のアーカイブページにて作品をご覧いただけます。

  • 所要時間:4~5時間
  • 主な交通手段:車

START

はじめに-1

はじめに

旅のはじめにおすすめしたいのが、奈良尾神社の隣にある奈良尾図書館です。館内には『五島百景』をはじめとする関連書籍が揃っており、作品への理解を深めてから現地を訪れることで、ひと味違った感動に出会えるでしょう。また、館内には山本二三美術館より寄贈された作品「奈良尾神社のアコウの樹」の複製画も展示されています。実際のあこう樹の姿と、山本二三氏が描いた情景とを重ね合わせることで、作品のまなざしをより身近に感じることができます。

奈良尾のあこう樹 (国天然記念物)-1

奈良尾のあこう樹 (国天然記念物)

●作品名 奈良尾神社のアコウの樹
神社へと続く参道をまたぐようにそびえる、アコウの大樹。まるで天然の鳥居のようなその姿は、上五島屈指のパワースポット。二三氏は島内のアコウやカジュマルの大樹をいくつも取材したそうですが、奈良尾のアコウの形態が「いちばん好き」と語ってくれていました。無数に伸びる気根を描いていると、自分が今どの部分を描いているのかわからなくなることもあったそうです。それでも「修業だと思って」と、集中し、根気よく向き合った一枚だといいます。

10分

桐教会-1

桐教会

●作品名 桐古里郷
桐古里の海は、島内でもほかにない独特で美しい色合い。作品は桐教会から見下ろした海の風景が描かれています。ちょうど制作していた頃、磯には味噌汁に入れるとおいしい「あおさ」が広がり、海面には鮮やかな緑の模様が揺れていたそうです。自然が織りなす一瞬の彩りも、丁寧に描き込まれています。

20分

土井ノ浦港-1

土井ノ浦港

●作品名 若松島の土井ノ浦
この場所の作品は昭和47年頃の写真をもとに、素朴な漁港の佇まいに絵画的な魅力を感じて描かれたそうです。現在は少し風景が変わりましたが、静かな港の雰囲気と、奥に見える土井ノ浦教会の姿は当時の面影を残しています。時を越えて受け継がれる、穏やかな海辺の風景です。
(写真提供/真光クルーズ)

5分

間伏-1

間伏

●作品名 若松島の間伏
若松島を過ぎ、日島方面へ向かう途中、道を少し入った場所にある間伏(まぶし)地区。山に囲まれた静かな入江の浜辺に、ひときわ目を引く大きな岩があります。丸みを帯びた岩がどっしりと構え、その側面には一本の松が横へ枝を伸ばしながら根を張っています。まるで岩にしがみつくような姿です。二三氏も、この大岩と松の姿に生命力あふれる力強さを感じたといわれています。観光地として整備された場所ではありませんが、知る人ぞ知るスポットです。

※海沿いの道は幅が狭く、ガードレールもありません。通行の際は十分ご注意ください。

20分

中ノ浦教会-1

中ノ浦教会

●作品名 中ノ浦教会
風のない日には海面が鏡のように静まり、教会の姿が水面に映し出されることから「水鏡の教会」と呼ばれています。しかし取材時は午後で逆光となり、さらに風もあったため、残念ながら教会が映る光景には出会えなかったそうです。その代わり、作品では小波にきらめく光を表現したそうです。

25分

赤ダキ断崖-1

赤ダキ断崖

●作品名 曽根の赤ダキ
長い年月をかけて大自然がつくり出した、迫力ある断崖景観。五島列島の成り立ちを語るうえで重要な火山噴出口の跡が残り、県の天然記念物にも指定されています。
作品のアングルは、
白草公園付近から望む風景です。

35分

頭ヶ島天主堂-1

頭ヶ島天主堂

●作品名 頭ヶ島天主堂
2018年、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として登録された「頭ヶ島の集落」に建つ石造りの天主堂。十字架の下にある六面体ドームは五島の教会の中でも珍しく、描くのがとても難しかったといいます。

庭-1

●作品名 庭(頭ヶ島)

頭ヶ島天主堂の近くに、陶芸ギャラリー【白浜窯・GalleryAnge】さんがあります。やわらかな光が差し込む空間と、静かな日常の佇まい。特別な景観というよりも、島の暮らしの一場面が丁寧にすくい取られています。色鉛筆で彩色し、「これ以上手を入れない方がよい」と判断して完成としたそうです。(写真提供/白浜窯・GalleryAnge)

10分

崎浦の五島石集落景観 (重要文化的景観)-1

崎浦の五島石集落景観 (重要文化的景観)

●作品名 頭ヶ島の友住郷
赤尾・友住地域は、石畳や石塀が残る集落景観で、国の重要文化的景観に選定されています。作品は、Y字路に立つ石垣の壁に風情を感じ、絵心を刺激されて描かれたそうです。実際に歩いてみると、石の積み方や道のゆるやかな曲がりに、時代ごとの営みの重なりを感じることができます。

※作品名に「頭ヶ島」とありますが、実際には頭ヶ島へ向かう道中の「赤尾地区」の風景です。

10分

五島うどんの里のお土産屋さん-1

五島うどんの里のお土産屋さん

旅の思い出に――。ここでは、『五島百景』のポストカードやTシャツなどのオリジナルグッズを数量限定で販売しています。ここでしか手に入らない特別なアイテムです。ぜひお立ち寄りください。
 

祈りの風景、海のきらめき、島の日常。
山本二三氏が描いた風景は、いまもこの島に息づいています。どうぞゆっくりと島を巡りながら、あなただけの一枚を心に描いてみてください。

 

山本二三美術館-1

山本二三美術館

新上五島町の隣、五島市にある「山本二三美術館」。建物は、1863年(江戸時代)に建てられた武家屋敷「松園邸」を改修したもので、歴史ある佇まいの中で山本二三氏の世界観に触れることができます。館内には、アニメーションの背景画をはじめ、五島列島の自然や歴史的・文化的な建造物を描いた作品が展示されており、その一枚一枚から故郷への深い愛情を感じることができます。また、館内にはアトリエを再現したスペースがあり、モニターでは制作風景も紹介されています。作品が生まれる過程を知ることができる貴重な展示です。さらに、「空と雲の部屋」では、雲の形をしたソファに座りながら短編アニメを鑑賞することができます。

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